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新日本監査法人のプレスリリースはこちら
具体的には、06年2月、監査チームの一員として担当していた大証ヘラクレス上場のサービス業の企業の株式300株を、業務で知った財務情報をもとに売買して約300万円の損失を出したという取引と、07年3月から4月にかけて、東証2部上場の情報通信業の会社の株式261株を信用売買し、35万円の利益を得たという取引とが、インサイダー取引だったとのこと。
いずれの取引も知人の女性の名義を借りて、まんが喫茶のパソコンでネット売買したり、この知人に指示して携帯電話から売買させたりしていたそうです。
公認会計士は、会計監査人として、会社の計算書類や付属明細書の内容を監査する権限があるだけではなく、当然、その監査のプロセスで必要とあれば、社内の会計書類諸々をすべて見ることができます。
その意味で、会社の財務部の担当者以外では、その会社の財務状況をもっとも容易に知りうる立場にいます。
そうした立場にいる以上、プロとして職業倫理としてインサイダー取引には厳しく接していなければならなかったはずです。
それなのに・・・正直、絶句です。倫理観を疑います。
ちなみに、これ以外にも公認会計士が逮捕されるに至ったケースは、次の通りです(フジサンケイビジネスアイより引用)。

さて、今回の記事で、もう一つ注目すべき点があるとすれば、調査をしている主体が「検察庁」などの捜査機関ではなく、「SESC」であるという点です。
ここでは、証券取引の監視体制について説明しておきたいと思います。
現在、証券取引の監視体制は、「証券取引所による売買審査」と「SESCによる取引審査」との2本立てで行われています。
SESCでは、株価が急騰・急落した銘柄、投資家の投資判断に著しい影響を及ぼす重要事実が発生した銘柄、マスコミ・ネット上で話題になっている銘柄、一般からの情報に基づいて、ある銘柄をピックアップして、監視を行っています。
SESCは、これらの銘柄を監視するだけではなく、犯則嫌疑者や参考人に対する質問(事実上の取り調べ)、物件検査、捜索差押えなどをする権限を持っています(犯則調査といいます)。
こうした調べの結果、犯則の心証を得たときには、今回の事例のように、検察庁に告発する、という流れです。
「SESCの活動状況平成19年版」によると、実は、この告発件数は年々増加しています。
平成12年5件→13年7件→14年10件→15年10件→16年11件→17年11件→18年13件です。
このうちインサイダー取引で告発されたのは、平成12年は5件中2件、13年は7件中3件、14件中は10件中5件、15年中は10件中6件、16年は11件中6件、17年は11件中5件、18年は13件中9件です。
この数字からわかることは、年々インサイダー取引に対する監視は厳しくなっているということです。
このことが、今回のSESCによる告発につながったと考えることもできます。
金融商品取引法の改正に先立って、SESCの犯則調査権限が強化されていることからも(新しく通信・郵便物に対する差押えが認められた)、今後も、SESCによるインサイダー取引の監視は厳しくなっていくことが予想できます。
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